
映画「国宝」を観て、改めて考えた糖尿病のこと
- 西神すみれクリニック院長

- 7 日前
- 読了時間: 2分
先日、遅ればせながら映画「国宝」を観ました。
物語のなかで印象的だったのは、渡辺謙さん演じる花井半二郎と、その息子・俊介(横浜流星さん)が、親子二代にわたって糖尿病を患い、合併症に苦しむ姿です。
糖尿病は、患者さんにとって身近な病気である一方、「生活習慣が悪かったからなる病気」というイメージを持たれている方も少なくありません。
もちろん、食生活や運動習慣は糖尿病の発症や進行に大きく関わります。しかし、それだけではありません。
実は糖尿病、特に日本人に多い2型糖尿病は、生まれ持った体質や遺伝的な要因も大きく影響することがわかっています。
「気をつけていたのに糖尿病になった」
「家族にも糖尿病の人がいる」
そのような患者さんは決して珍しくありません。
自覚症状がないからこそ怖い病気
また、糖尿病の怖いところは、初期にはほとんど症状がないことです。
血糖値が高い状態が続いても、日常生活では困ることが少なく、「まだ大丈夫」と思ってしまいがちです。
しかし、その間にも全身の血管は少しずつ傷つき、やがて目・腎臓・神経・心臓・脳などにさまざな合併症を引き起こします。
映画「国宝」のなかでは失明や足の切断が描かれていましたが、これらは決して特別な合併症ではありません。
糖尿病は全身の血管に影響を及ぼす病気であり、適切な治療を受けなければ誰にでも起こり得ます。
糖尿病治療の進歩
一方で、医療は大きく進歩しています。
現在では血糖値を改善する優れた薬が数多く登場し、治療の選択肢もずいぶん広がりました。
もちろん「完治」する病気ではありませんが、適切な治療を継続することで、多くの合併症は予防、あるいは進行を遅らせることができます。
大切なのは、完治を目指すことではなく、無理なく根気強く治療を続けることです。
健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されても、「症状がないから」と受診を先延ばしにされる方は少なくありません。
しかし、糖尿病は症状が出てからではなく、症状がないうちに治療を始めることが重要です。
健康診断の結果をはじめ、何か気になられることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
